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研究内容
新しい複合材料およびその周辺技術の開発
プラスチックは「軽い」、「安い」、「成形しやすい」という優れた特徴をもつため、その用途拡大が望まれています。
“複合材料”とは、二種類以上の材料を一体化して組み合わせた材料のことです。
材料は、自身にない(あるいは弱い)性質を示すもう一つの材料と組み合わせると、新たにその性質も示すようになります。
“複合材料”は、プラスチックの弱点を補うことができるのです。
当研究室は、「新しい複合材料およびその周辺技術の開発」を大きなテーマに、用途拡大のブレークスルー技術の開発に挑んでいます。
現在、下記4つの領域に力を入れています。
![境先生-_M6A4127-高解.jpg](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_7a2719c923d9489ba640b5b4f582c431~mv2.jpg/v1/fill/w_115,h_77,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/%E5%A2%83%E5%85%88%E7%94%9F-_M6A4127-%E9%AB%98%E8%A7%A3.jpg)
環境調和型プラスチック複合材料の開発
植物や微生物から作られるバイオプラスチックの複合材料開発に取り組んでいます。バイオプラは従来の石油由来プラスチックの代替として、地球温暖化や廃プラ・マイクロプラスチックによる海洋汚染の解決につながることが期待されています。バイオプラの一部は、自然界で低分子化合物に分解される“生分解”の特性を示します。2050年には海洋中のプラスチックが魚の量を超えると言われており、これ以上汚染を広げないためにも、この生分解性を示すバイオプラの利用拡大が大切です。当研究室では、このバイオプラの性能向上を目的として、県特産品である稲わら等を代表としたセルロース系繊維との複合化技術を研究しております。セルロース系繊維(植物)とプラスチック(バイオプラも含む)は、文字通り“水と油”の関係であるため、良好な性能を示す複合材料を得ることが非常に困難です。当研究室では、この両者の関係性を改善させるための「界面接合技術=表面改質技術」の開発にも取り組んでいます。
![異材接合.png](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_725fadc85bd5448aa6c3eba295607f4a~mv2.png/v1/fill/w_115,h_77,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/%E7%95%B0%E6%9D%90%E6%8E%A5%E5%90%88.png)
異種材料の直接接合技術の開発
プラスチックと金属、プラスチックと木材のような異なる二種類の材料の接合を、“ネジやボルト、接着剤を使わない”、「直接接合=成形接合」で実現する技術の開発に取り組んでいます。近年、特に自動車のような輸送機は、軽量化や高機能化の要求により、異種材料を適材適所に用いるマルチマテリアル化が進められています。プラスチックや木材は軽量な材料ですが、それ単体では弱い性能があるため(例えば、プラスチックは金属よりも熱に弱く、木材はプラスチックよりも成形性に劣る)、それを補う異材との接合が必要になります。当研究室では、微小な穴に溶融プラスチックを流し込んで固めてアンカー効果を生み出す接合技術を研究しております。ナノ~マイクロサイズの微小孔による強固なアンカー効果は、非常に高い接合強度を実現でき、付加部品もないため軽量化に有効です。プラ-金属接合を長く研究していますが、最近は本学木材高度加工研究所で開発された“木質マイクロプライ”の応用範囲を広げるため、プラスチックと接合する技術の開発にも取り組んでいます。
![Graphene molecular grid, graphene atomic](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_15eef3daba2a44cca1f8ee196572ed8c~mv2.jpg/v1/fill/w_113,h_85,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/Graphene%20molecular%20grid%2C%20graphene%20atomic.jpg)
機能性付与ならびに塑性加工による性能向上
ロール圧延のような塑性加工により機能性プラスチック複合材料の性能向上を図る技術の開発に取り組んでいます。プラスチックは、その優れた特徴ゆえに金属材料の代替として利用が拡大していますが、用途に応じて機能性に劣る場合があるため、フィラー配合(複合材化)などで弱点を補完しています。代表例として、絶縁体プラスチックへのナノカーボン配合による導電化や熱伝導化が挙げられます。しかし、これを薄いシートやフィルムにすると、プラスチックがよく伸びる一方でフィラーが硬くて延伸に追随できないため、両者の界面ではく離が生じてボイド(空隙のこと、つまり欠陥)になってしまいます。当研究室では、ロール圧延加工によりフィラーとの密着を図り、優れた機能性と力学特性を両立する複合材料の開発・確立を目指しています。
![hydrogel_edited.png](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_6f14d50d6ea24a6cae091e16e994af99~mv2.png/v1/fill/w_114,h_85,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/hydrogel_edited.png)
機能性ポリマーおよびソフトマターの高性能化とその応用
それそのものが導電性を示すポリピロールなどの導電性ポリマーや、温度などの刺激を与えることで超親水や超疎水の性能を示す刺激応答性ポリマー、ハイドロゲルのようなソフトマターなどの高性能化と応用に関する研究に取り組んでいます。自由に配向性を制御したハイドロゲルは、生体材料そのものや細胞培養の足場材としてとしての応用が期待できます。当研究室では、独自の合成法である可視光誘発重合法と延伸加工の組み合わせにより、この新奇なゲルの開発を目指しています。また、ハイドロゲルに導電性をもたせた複合ゲルを作製し、人体の曲面にフィッティングできるフレキシブルなシート電極の開発にも取り組んでいます。
![qiu.JPG](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_16e914ffdbe546b19ad0b01fbc0ea36a~mv2_d_6000_4000_s_4_2.jpg/v1/fill/w_123,h_82,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/94cb50_16e914ffdbe546b19ad0b01fbc0ea36a~mv2_d_6000_4000_s_4_2.jpg)
邱 建輝 (キュウ・ケンキ)
教授
<学位>: 博士(工学)
<出身>: 中国四川省
<キーワード>:
材料力学/材料工学/複合材料/高分子/生分解性プラスチック/機能性ポリマー/ソフトマター/バイオマス/成形加工全般
<研究業績>:
researchmapをご覧ください
境 英一 (サカイ・エイイチ)
准教授
<学位>: 博士(工学)
<出身>: 富山県
<キーワード>:
材料力学/材料工学/複合材料/高分子/異材接合/界面/バイオマス/生分解性プラスチック/塑性加工/高分子と水
<研究業績>:
researchmapをご覧ください
![_M6A4254.jpg](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_1132ebc61d6640e18ab5fc1b4215b8dd~mv2.jpg/v1/fill/w_123,h_82,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/94cb50_1132ebc61d6640e18ab5fc1b4215b8dd~mv2.jpg)
![qcup.JPG](https://static.wixstatic.com/media/94cb50_23240eef2d704b7b9fc0b6cf823969fd~mv2_d_6000_4000_s_4_2.jpg/v1/fill/w_123,h_82,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/94cb50_23240eef2d704b7b9fc0b6cf823969fd~mv2_d_6000_4000_s_4_2.jpg)
その他のメンバー
R4.7月現在
<職員>
研究補助 1名
<学生>
博士後期課程 6名(留学生 6名)
修士課程 8名
学部4年生 5名